Thursday, October 23, 2008

羊羹の思い出

羊羹は甘すぎて自分では買わないが
実は思い出深い物である。

大学一年生の時、日本語のスピーチコンテストに参加して
先生のご指導のお蔭でNSW省で優勝して全国決勝に出られたけど
結果は少し残念な第4位だった。

決勝の場所もNSWだったから、コンテストの後、担当の方に
“省大会の時と同じスピーチでしたよね。”と言われて
新しいスピーチを準備しないで省大会のスピーチをそのまま使っていた
準備に怠けていた自分が恥ずかしかった。
先生にもとても申し訳なかった。

あの日、先生の息子も会場と同じビルに塾とかがあったらしくて
コンテストの後に会場で待ち合わせしていた。
先生が息子さんに羊羹をおやつにあげて、もう一つを
“はい、これをミューさんに渡して”と。
小さい小さい手からもらった羊羹が落ち込んでいた心に沁みた。
その羊羹を一週間くらいずっと食べ惜しん持てた。

今でも羊羹を見る度にこの事を思い出す。
小さい手から羊羹をもらった時の温かい気持ちだけではなく
先生のご愛顧、苦手な事をやり抜けた成功感・・・
全て大学時代の大切な思い出であった。

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