Wednesday, February 21, 2007

「利是」文化


旧正月お祝いの多くの風習の中、子供達が一番楽しみにしてるのは「利是」をもらう事だ。

中国の「利是」(または「紅封包」)は日本のお年玉と似ているが、既婚者が子供にだけでなく、未婚の大人の親戚や兄弟から「拝年」(祝福の言葉)を受けると利是を渡す習慣である。同僚や友人同士でも既婚者は未婚者に渡すのだ。
利是を渡す時はもし渡す側の配偶者が一緒でなかったら、一枚を渡せば十分だが、相手が渡す側夫婦とも知り合いの場合は、夫・妻の分も一緒に渡すという意味で二枚を渡す事が多い。

通常利是は既婚者からしかあげないが、普段お世話になっている人(マンションのスタッフやレストランのウェイター等)に対して未婚者から渡す事もある。(バレンタインの義理チョコみたいに・・・)

中国・香港系の企業は旧正月休み明けにスタッフに「開工利是」を渡す習慣がある。小さい会社の場合はボスから、大企業は会社の名義で「開工利是」を渡す。既婚者未婚者関係なく、上長も部下に利是を渡すのもある程度義理であるが、100人も部下に持つ人間は全員に渡すと年末ボーナスが一発でパーなので、極多人数の部下を持つ人間は秘書さんやよく知っている部下にしか渡さない事が多い。

中国人社会には「乾爹/乾媽」と「乾児子/乾女児」、(英語のgodparentsとgodchildに近い)という関係があって、友人の子供を自分の子供のように可愛がると約束して成り立つ関係である。乾爹/乾媽は未婚者もなれるので、未婚でも乾児子/乾女児には利是を渡す。

私も未婚者なので、去年までは乾児子にしかあげてないが、今年からはキチンとアシスの女の子に「開工利是」を渡すようになった。もう少し年を取ると、マンションのスタッフなどにも義理を立たなければならない。30ん才になってまだ利是を頂いて(しかも年下のスタッフから)、なんか、微妙な立場になってきたなぁ。。。

2 comments:

Anonymous said...

なるほどなるほど(^^) ためになる講義です。「利是」文化は、前に聞いた時に「おもしろいなぁ~」と思ったと同時に既婚者から未婚者に渡す、というところが微妙だなぁ~^_^;と感じた次第。未婚、既婚ということを意識せざるを得ない日ですね。あと読んでて、godparent,godchildの文化もおもしろいと思った。前にオーストラリア人と話した時に、その人もgodchildがいると言っていて、結構、広範囲で共通の文化なのかしら?日本には無いけど、なんだろう?「義兄弟」の親子版のような感じかしら?「利是」文化、複雑な気持ちかもしれないが、「利是」を立場上たくさんあげなくちゃいけなくて財布が寂しくなるよりはいい!?と考えていいと思いますよ(^^)日本にある香港系企業は旧正月の頃はどうしてるのかしら、とちょっと気になりました。

Unknown said...

そうそう、義兄弟の親子版の感じ!ミリさん覚えてる?彼女の息子は私の乾児子(広東語では“契仔”という)なの^^

うん、実はそうなの。利是の出費は結構すごいの。
普通の付き合いの相手は通常一枚$20で、付き合いが深い程金額も↑なので、親しい親戚や関係は通常$100アップ。一枚$1000以上の事もある。
あまり「拝年」とかやらないカップルでも$2000~4000くらいは使う。もっときちんとやると、それ$5~6000は下らないと思う。
一番儲かるのは子供と未婚者なので、うーん、お財布のためにまだ結婚しない方がいいかも!ははは

そうだね!日本にある香港系企業はどうしているでしょうね。興味深いですね^^